1999年6月29日、死者31人を発生させた、「6.29災害」から15年、再び大規模土砂災害に舞われた広島市北部。
またもや繰り返された自然災害の脅威に、今後私たちはどのような危機管理に立って生活しなければならないか改めて考えさせられました。
今回の災害は、6.29災害を上回る犠牲者を出し、更には、消防吏員OBの私にとって最も残念な「殉職」者を出したことです。
被害の全容等々これからですが、私も近じか現地入りし、調査をしようと考えています。
しかし、今年は、追い打ちをかけるように、今後同じような災害が全国のどこかで発生する危険性が高いため、当面の対応策を示しますので、参考にしてください。
傾向と対策
1.地球の風化が進み、今までに地滑りが1回も発生したことのない山が、もろくも崩れる状況となった。
2.過去の地滑りは、「表層崩壊」が殆どであったが、ここ近年丈夫と言われていた岩盤層が崩れる「深層崩壊」が急増してきた。
3.今年は特に、梅雨前線が消えて梅雨明けとなるはずが、完全に消えず、東北地方で残った状態となった。
すなわち、太平洋高気圧がいつまでたっても勢力をのばすことが出来ず、逆に湿った気流が次から次へと流れ込んできた。
4.太平洋高気圧の勢力が弱い分、大陸の寒気団が流れ込みやすくなっている。併せて、偏西風の蛇行が未だ続いている。
5.昨年は、夏からいきなり冬となったが、今年は夏が殆どなく、梅雨状態から秋の長雨傾向が予想される。
6.降雨記録は、定点観測地点は参考とし、自らの地域で雨量観測する仕組みを考える。
7.近年の大規模水害は夜間に発生している。従って、雨が降り続ける場合は、寝る前に十分な体制で一夜を過ごすこと。
状況によっては、一晩寝ないくらいの覚悟が必要である。
8.寝る前の状況判断で、危険と感じた場合は、早めに安全な場所へ避難する。(空振りの三振はよいが、見逃しの三振はするな!)
9.緊急やむを得ない場合は、山、川から出来る限り離れた部屋、若しくは2階へ避難する。
10.停電対策を必ず行うこと。
11.非常食は、最悪1日程度食べなくてもよいが、水は必ず必要である。(特に水害は、井戸水も飲めなくなる)
12.避難する場合、必ず持参しなければならないものは、「常備薬」。
13.早めの避難は、車で避難する方が良い。(大雨の中徒歩での避難は危険。)但し、災害が発生するようになってからでは、逆に行動することが危険である。
参考
自分で雨量観測をしよう。
我が家で降水量を観測し、10分雨量10mm~15mm降れば、危険と判断しいつでも避難できる体制を作る。
簡易雨量計の作り方
透明な容器(形は問わない)で、口の径と、底の径が同じもの(円柱・四角柱)を用意する。(100円均一のもので良い。)
底から、物差しをあて、5mm、10mm、15mm・・・とマジックで書いていく。
容器の大きさは、直径概ね10cm程度で良く、100mm以上計れる容器であればよい。
庭先など上部に障害物のない所へ設置する。
我が家の簡易雨量計です。