» 2016 » 6月のブログ記事

熊本地震から学ぶパート2として今回は、「熊本地震の教訓」を載せたいと思います。

熊本地方の皆さん、地震被害に追い打ちをかけるように梅雨前線の影響で豪雨災害が発生しお見舞い申し上げます。

教訓

① 避難者が、避難所へ殺到したため、毛布、食料と言った救援物資が不足し、初動時の避難者受け入れ体制を今後どのようにするか。

② 震度5以上の強震が、発災14日以降5月19日まで19回発生しており、家の中での生活恐怖心から車での避難者が非常に多く、エコノミー症候群が多発

       した。

③ 被災された殆どが、地元で大規模地震が発生することを考えていなかった。

④ 避難所での避難者への食糧が供給できなかった。発災当初は、1日パン1個、500ccペットボトル1本のみであった。

⑤ ペットの避難所がなく、飼い主と一緒に避難した人は、外に近いロビー等に身をおいた。

⑥ 警察官の巡視で、「戸締りをしてから避難して下さい。」との呼びかけがあったが、戸締りが出来ない状態であった。

⑦ コンビニエンスストアーでの食糧等調達は、補充が効かないシステムであるため、売れ切れ状態となる。

⑧ ライフラインが寸断され、特に夜間は懐中電灯は絶対必要である。

ガスは、卓上コンロでの煮炊きが出来た。

水は、ペットボトルの供給も出来なく、備蓄の必要性を痛感。

⑨ 情報収集のためのラジオの必要性を痛感。

⑩ 被災者宅の空き巣狙いが多発した。

⑪ 車での避難生活中、余震により骨折した人が発生した。

⑫ ペットのパンパースの必要性があった。

⑬ 避難所における女性専用の仮設トイレの重要性。

⑭ 専門家によれば、今回の地震は想定外であったとは言えない。

今回発生した地震の今後の連動性について

大分県で発生した地震は、熊本地震の余震とみられており、一部で懸念されている、中央構造線断層帯に沿って東の方へ移っていくのではないかと

   のことについては、今の時点では考えられない。

今回の地震が、他地区での地震発生に影響があるかについても、直接的には考えにくい。

以上避難者アンケート結果からでした。

熊本地震発生から2カ月が過ぎました。

避難所生活していた方も、やっと仮設住宅へ、また、県営、市営住宅もみなし住宅として避難所生活から徐々に普通の生活に帰り始めました。

2ヶ月たった今も、熊本県八代市で震度5弱の余震が発生し、住民の人に恐怖を与えています。

余震の恐怖についてお話ししますと、余震が治まりつつあれば、皆さんは次第に安心されます。

しかし、震度3クラスの余震が発生しても、そんなに大きな揺れではないのですが、「揺れる!」という恐怖心が再び心によみがえってきます。

したがって、大きな揺れでなくても、このまま家の中にいれば、今度は家がつぶれるのではとの思いが発生し、「PTSD」を引き起こすことになるのです。

このように心的ストレスが一番怖いことになります。

今日も(16日)北海道函館で震度6弱の地震が発生しました。

熊本地震の被災者は、今回のように遠く離れた北海道で発生した地震でさえ、また自分のところへ地震が来るのでは・・と思われます。

また、今回の地震発生地では、「熊本のように、次は震度7クラスが来るのでは」と思われる人もいるでしょう。

このように、4月14日・16日発生した熊本地震の影響は今までにない恐怖心を全国民に与えました。

「熊本地震から学ぶ」ということで、シリーズでお送りしたいと思います。

今回は、「熊本地震の特徴」について書いてみます。

特徴

① 2日間の間に震度7クラスの地震が2回発生したこと。(観測史上初)

② 中央構造線断層帯上で発生。

③ 震度6弱以上の大地震に見舞われた県民は本県人口の83%に及び、少なくとも県民の10%以上が避難した。これは、阪神大震災の約2倍。

④ 危険と判定された建物は、1万4千棟を超えた。これは、阪神大震災の2倍以上。

⑤ 熊本市内及びその周辺は、約300年前には被害が発生しているが、ここ100年間は殆ど大きな被害を受けていなかった。

今回被害が多かった「益城町」は、今から16年前に震度5弱に見舞われ、屋根瓦の落下等が発生している。

※ 今回大きな被害に見舞われた地域の殆どの人が、大きな地震は発生しないと思っていたのもうなずける。

⑥ 4月14日発生の震源域は、日奈久断層帯の高野-白旗区間の活動によるものであり、4月16日発生の地震は、布田川断層帯の布田川区間を含む約2

6km、一連の地震活動は2つの断層帯が連動するようにして発生したと考えられる。

⑦ 4月14日と16日に発生した地震は、14日発生が前震、16日発生が本震と位置付けられたが、最初に発生した地震により次の地震が連動して発生したこ

とは十分に考えられるが、いずれも本震であったと考える。

⑧ 新耐震基準の建物が軒並み倒壊したことは、1回目の地震で、下から突き上げられるような動きの後に横に揺れ、柱のほぞが緩くなり、2回目の地震の時に

は、新耐震基準をはるかに下回ったため、軒並み倒壊したものと思われる。

⑨ 右横ずれ断層。最大横ずれ2m。

⑩ 最初の地震発生から6日間で本震を含め震度5以上の地震が16回発生している。

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調査に同行してくれた熊本県庁職員さん 新耐震基準後建築の倒壊住宅 布田川断層東の端(大きくずれている)

平素より私のホームページをご覧いただきありがとうございます。

この度、システムトラブルが発生し、開けない状態が続いておりましたが、やっと閲覧が可能となりました。

長い間ご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。

引き続き、ご利用いただき、防災・危機管理関連の情報を書き込みますのでご覧いただきますようお願いいたします。

早速ですが、総務省の「災害情報伝達に関するアドバイザー事業」と「熊本地震」関連の内容をアップしますのでご覧ください。

林防災危機管理事務所 代表 林繁幸

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