» 2016 » 2月のブログ記事

連日大田市での講演があり、今日(2月23日)は、大田市温泉津(ゆのつ)の福波地区の住民の方を対象に防災研修を行いました。

この福波地区と言うのは、大田市の一番西寄りの地区で、江津市との境になるところです。

高速道路が一部開通し、仁摩町と福波地区の移動はとても便利になっています。

料金も無料ですので、仁摩から江津、浜田方面に向かわれる方は、この道路を利用されるととても便利ですね。

さて、今までは、土曜日曜と言ったお休みの時の研修でしたが、今日はウイークデー。実はどのような方が参加されるか興味がありました。

最初にセンター長さんが、「昼間家庭を守る、地域を守る方々の防災に対する意識を高める目的で開催しました。」と説明があり、センター長さんとしても正直どの程度の方が集まられるか不安だったそうです。

集まって来られた方々は、40人を超え、男性、女性ほぼ半々で、センター長さんもほっと胸をなでおろしていらっしゃいました。

と言いますのも、人数集めが目的となれば、それだけのことになってしまいますが、今日参加された方は、昼間何か起これば自分たちが家族・地域を守らなければならないとの思いを持たれた方の集まりが、この人数になっていたからでした。

さしずめ「留守は私たちに任せてチョーダイ隊」とでも言いましょうか・・・・。

1時間半と言った講演時間で休憩もなく、私が一方的にしゃべりまくっていたにもかかわらず、誰ひとりとしてお休みになる方もなく、熱心に聞きいれていただいたことが、地域の皆さんの防災に対する思いが深いと言う事ではなかったでしょうか。

でも私としては残念なことがあったのです。

と言いますのも、冒頭、災害発生の危険性を質問したところ、大半の方が、「大きな災害は発生しないのでは。」若しくは「自分たちの地域には災いは降りかかってこない。」といった考えの方が多かったと言うことでした。

近年、これだけ日本全国に災害が発生している中で、まあのんびり構えていらっしゃること、と思ってしまいました。

しかし、中には、自ら「非常持ち出し袋」を持参され、いつでも持ち出せるよう、わかるところに置いています。と言う方が参加されていました。

詳しく聞いてみますと、地区婦人会の方が、全戸に配られたそうです。素晴らしいじゃないですか!

どうも、質問に対し手が上がらなかったのは、奥ゆかしい方の集まりだった様ですね。

今日の講演の後で、一人の男性の方が私の所に来られ、今後各自治会単位で「自主防災組織」を立ち上げ、その中で更に「防災委員会」と言う名前で10人程度の班を作り、避難が発生した場合、このグループで助け合い、一時避難所更には二次避難所へと避難する計画があることを知らされました。

どうでしょう、全国の皆さん、是非参考になさってください。

大田市は、日本「住みたい田舎」ベストランキング総合1位になっているとのことです。

大田市はこのようなところなんです。皆さん、災害体制でも安心できる、この街に「定住」を考えて見られませんか?

講演風景

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島根県大田市仁摩町と言えば「世界最大の砂時計」があると言えばお分かり頂けると思います。

何故ここに砂時計かと言えば、砂を踏むと「キュキュ」と音がする「鳴り砂」で有名なところです。しかも、日本砂サミットが開催された時も、最も良く鳴る砂がここ仁摩町だったんですね。

皆さんも是非「サンドミュージアム仁摩」に是非来て観て下さい。とても素晴らしい「ロマンあふれる街」ですよ。

この地で、今日(2月21日)防災についてのワークショップ「DIG(ディグ)」を開催いたしました。

仁摩町の4地区から、それぞれ代表的立場の方40人が参加され、6班に分かれて、各地区独自のハザードマップを作っていただきました。

最後に、災害想定を、「豪雨災害」「地震災害」「火災」を与え、それぞれの地域の特性からそれぞれの災害ごとに、どのような危険性があり、どのように対応するかを発表していただきました。

この図上訓練の狙いはといえば次の4項目だったんです。(訓練として私の狙いは隠しておきました。)

①事前に内容が示されていないこと。

②当日参加されたメンバーで、リーダー、書記、発表者を決める。

③災害想定を当日与えて、限られた時間内で対応策をまとめ上げる。

④限られた時間内(5分間)で各地域の災害対応を、各班で簡潔にまとめ発表する。(防災甲子園と名付けています。)

始める前に、すべに対する基本的概念をお話しし、ルール説明をしたのち、限られた時間内で与えられた地図に書き込み、独自のハザードマップを作製することでした。

基本的概念とは、「目標を持って取り組む人は、何が出来るかを考えるが、そうでない者は言い訳を考える」。すなわち、当日与えられたもの、指示されたことに目的を達成するためにはどのように取り組むのが最善かを一番の目的としたのです。

災害は、いつ、どのような規模で、襲い掛かってくるか分かりません。すなわち、理想とするものがあれば、災害対応にこれほど楽なことはありません。(ない物ねだりは災害対応をつかさどる者は絶対にやってはならないことです。)

十分なものがない中で、瞬時にして何が出来るかを養うのが、この図上訓練(DIG)に大きな意味があるのです。

今日参加された各地区の方々は、グループ内で意見を出し合い、各地区の災害特性、それに対する対応、中には、事前対策としての要望など、私がこの訓練の本当の意味を隠して実施したにもかかわらず、私が求めていた訓練の70%の出来栄えでありました。(災害対応に100%はあり得ませんので。)

とても初めてとは思えないくらい、日頃から災害対応が頭に入っていることが分かりました。

仁摩地区の住民の皆さん、100%とは言いませんが、安心できると思いますよ。不足分はこれからの積み重ねを期待申し上げます。泉館長さんお疲れさまでした。サポートしていただいた2名の女性職員の方(名前は伏せます。)ありがとうございました。

訓練風景(訓練説明)

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各班の訓練風景

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最後の発表

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島根県の大田市と言えばピンと来るのが、あの世界遺産に登録された「石見銀山」ではないでしょうか。

この大田市、実は防災に強い町づくりををテーマに、非常に熱心に取り組まれている自治体なんです。

縁あって私は3年前から各地区での防災研修等の講師として、その地域その地域に合ったお話しをさせていただいたり、図上での訓練をしたりしているところです。

実は、この大田市、今年度は今まで以上に熱心に防災に取り組まれる計画を立てられ、2月から3月にかけて集中的に、ほぼ全地区それぞれの地域ごとに防災研修が行われることになりました。

今年度も、ありがたいことに白羽の矢を立てていただいて、出向くこととなりましたが、各地区単位ですので、この期間、大田市へ通勤しているような状態です。

今日(2月20日)は温泉津町(ゆのつちょう)湯里まちづくりセンターで、自治会長・消防団・民生児童委員・婦人会代表・老人クラブ代表と言った方の参加で、研修がなされました。

実は、大田市は、実効性のある「自主防災組織」をどのようにして結成するかに重点を置かれており、今日の研修地区は、これから結成しようかとの第一歩を踏み出されたところです。

内容は、今地球環境はどの様になっていて、どんな災害が発生しているか、今後どの様な災害に発展するかを説明し、各自は何が出来るか、何をしなければならないか、地域は何をしなければならないか、災害弱者の方をどのように見守るか。

と言った内容で話をしました。

皆さんは、非常に熱心に聞いていただき、私の話す内容を吸収される姿が「ビンビン」と帰ってきていました。

地域の中には、地域防災づくりをしなければ、助かる命も助からない、との思いから「自主防災組織等」地域のつながりを強固にしたいと思ってい方が沢山いらっしゃることと思いますが、やりたくても色々な事情で出来ない方がいらっしゃいます。

この思いを誰かが汲んであげなければならないので、それぞれの地域で、誰が第一歩を踏み出されるかであると思います。

そのきっかけづくりの中心は、やはり行政であると思います。

大田市には、まちづくり推進課というのがあって、その担当者の方が大変熱心に各地区に働きかけていらっしゃいます。

今日は、この推進課の紙田さんと言う方が、一生懸命企画されていました。

そして、各地区には、「○○まちづくりセンター」があり、行政とタイアップしてあらゆる面での「住みやすい」まちづくりに取り組んでいらっしゃいます。

いい意味での「まちづくりセンター」どうしの競い合いになっているかもしれません。

私はこのような体制作りは、全国的にも珍しいのではと思っています。

ここまでくれば、後は、住民自治による防災体制を確立していただき、防災体制世界遺産になることを期待しています。

ちょっとオーバーだったかな・・・・。

明日は、仁摩町で各地区独自の防災マップを作っていただきます。

2016_0220_131830-P2201066 熱心に聞いていただいている「湯里地区」各方面の代表者の方々です。

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