〇新型コロナはいつどこで発症したのか?
• 令和元年12月10日、武漢市の華南海鮮卸売市場で働く海産物販売業者のウェイ・グイシエンさん(57)が不調を感じ、最初は風邪のひき始めだと思ったウェイさんは治療を受けるため地元の診療所に向かい、風邪の治療を受けその後仕事に戻った。
• 8日後、ウェイさんは意識がほとんどない状態で病院のベッドに横たわり、その後次々と感染が始まった。
〇新型コロナとはいったい何もの?
•ウイルス粒子表面のエンベロープ(膜構造)が花弁状の長い突起(S蛋白、約 20 nm)であり、コロナ(太陽の光冠)に似ていることからその名が付けられた。
•新型コロナウイルスには2種類あり、日本ではS亜型が多いといわれている。
•指定感染症に分類された感染症。(1年間に限定された感染症)
〇新型コロナは2つの型に分類される(ウイルスのサンプル103例の遺伝子配列を調査の結果)
L亜型(70%感染率)
•感染力が強い
•中国武漢市で爆発的に起きた時期に多く確認された。
•令和2年1月初旬には減少した。
S亜型(30%の感染率)
•コウモリから検出されたコロナウイルスに遺伝子的に近い。
•L亜型より古い。
•日本で感染した主な型
〇新型コロナウイルスとは何?
•一言でいえば「風邪」である。
•大別すると、風邪には、4つのタイプがある。4つの内二つは、一般的に「風邪」と言われるタイプ。その次に流行したのが、「サーズ」、次が「マーズ」。
•サーズにせよマーズにせよ、当時は新型コロナウイルスといわれていたが、対応できるようになった時点で、旧型(一般的)となった。
•今回新たなコロナウイルスが発見され、新型となったもので、名称は「SARS-CoV-2」と命名。(日本では新型コロナウイルスと呼んでいる)
•感染症は常に歴史の中に存在し今日まで来ているものである。
〇新型コロナウイルスの大きさとマスク
•新型コロナウイルスは、50~200nm
•スギ花粉:20μm~40μm(0.02mm~0.04mm)黄砂:4μm(0.004mm)
•PM2.5:0.1μm~0.3μm
※1nm(ナノメートル)は、 10のー9乗。10億分の1
※1μm(マイクロメ-トル)は、10のー6乗。100万分の1
•N95のマスクは、0.3μmまで防ぐことが可能。
•一般に市販されているマスクは、花粉症には有効。したがって、今回のコロナウイルスは、感染予防には全く効果なし。
〇今回爆発的に広がった原因は危機管理に失敗!
中国をはじめ、各国では初動対応に失敗したため、国によっては爆発的に感染が拡大した。
人類は、常に感染症と向き合いながら生活しなければならない運命にあることをしっかりと認識しなければならない。すなわち、「感染症」は常に生活の中に存在する。
従って、感染症の危機管理は、初動対応を的確に行うことが必須であることを関係機関は認識しなければならない。
今回爆発的に拡散したのは、単なる「風邪」から「肺炎」といった安易な対応が後手に回り、拡散を防げなかった。
〇感染症に対する危機管理は?
• 感染症の専門機関は、特異な症状が現れた時点で、完全隔離を第一にしなければならない。すなわち、拡散させないこと。
• 完全隔離した後、検査を行い、陽性と判断されれば、感染ルートを調査する。
• 初動時であれば、ほとんどピンポイントで封じ込めが可能となる。
• 医療機関で「発熱外来」を専門的に設置されているところは、平時の危機管理体制をしっかりと構築しておく。
〇新型コロナより重傷だった今回の対応策
〇 世の中を混乱させた対応の問題点
① 報道機関の報道のあり方
インフルエンザより軽い症状でありながら、「新型」と判明した時点で、あたかも罹患すれば、イコール死とのイメージが強く出た。
② 国の対策に大きな問題点
国民へ招いた混乱、社会経済への大きな影響の原因は、日本国内一律に非常事態ともとれる対策を発表したのが原因。
③ 各都道府県市町村自治体の判断に大きな問題
国が示した対応は必ず従わなければならないとの考えが強く、地域の実態を把握することなく過剰な対応が大きな混乱を招いた。
④ 各個人個人が災害に対する対応策の原理原則が取れなかった
国民すべてが、あらゆる災害(今回の新型コロナも災害)に対する「自らの命は自らが守る。」の原則がほとんどとれていなかった。
〇今回の対応の具体的問題点
① 報道機関の報道のあり方
「〇〇名が感染し、〇名が亡くなりました。人込みは避けてください。」といった報道が毎日流れ、必要以上の不安を与えてしまった。
発症した都道府県は、あたかも蔓延しているとの誤解を招いた国内感染分布図。例えば、広島県では県の人口が約280万人、広島市は約120万人、その内1人のみ発症(軽症)している。感染分布図は広島県全域が塗りつぶされた表示がなされている。一方北海道は、各地域で発生しているので、部分表示は不可能であるのですべて塗りつぶしは妥当と思われる。
感染後治療により完治した都道府県は、白図にすることが重要。
感染者は、PCR検査対象と判断された人のみ(事前の問診等により判断)を対象とした検査結果は、陽性と判断された人は6%程度、その内重症者は、0.4%。検査希望者全員を検査すれば、陽性率は、1%未満になることが考えられる。
ポイント: 安心を与えることを最優先とし、正しい情報提供が重要であり、感染者数の発表についても、累計感染者数、累計死亡者数は必要ない情報である。むしろ日々完治した人の割合を示すことが必要である。予防対策の徹底を図る必要がある。
② 国の対策に大きな問題点
国として最も考えなければならないのは、有事の判断能力。
「1つの判断は、10の影響力を考える。」が最重要!
今回の対策はつじつまの合わない対策が多く、不要な混乱を招いた。
・休校を一律にした問題
基本的考えを示した中で、地域の実情を勘案し実施するとすべきであった。
・休校すれば感染防止になるとの判断は誤り。
複式学級など小規模学校が休校し、対策として、教室の一部を開放し、教職員が授業を見るといった現実がある。
・なぜ休校対策をとったのか。
一人感染すれば、学校全体がクラスターになるのを恐れたから。との考えであったが、数式の原理を理由にしたもので、現実的ではない考えを理論付けした大きな誤り。
・学童保育・保育園・幼稚園は通常どおり及び学校の一部開放にした理由。
感染症対策ではなく、働く親族のためが理由であり、感染リスクを避ける対策とすれば一貫性のない考えである。
・ 100年前のスペイン風邪を前面に出した対応策があったが、100年前と現在では医療体制全般及びその後の感染症対策においても比較には値しない進歩があるにもかかわらず、スペイン風邪と同様な状況であるかの如く誤解を招いた。
正しい対策
ポイント:感染地域の実情を踏まえ、地域独自の判断により実施とする。ただし、正しい感染予防対策は必ず行うことを付帯条件にする。
③ 各都道府県市町村自治体の判断に大きな問題
全国の自治体では、国からの方針決定に対応が統一されなかった。
しっかりした危機管理ができる自治体は、冷静に判断し、どのようにすれば、通常どおりの体制が取れるかに力を入れた。
イベントに関しては、感染発症地域は、状況を的確に判断し、実施の方向で検討し、感染リスクが高いとなれば、中止若しくは延期の判断をすることが重要。
感染リスクが最も高いとされているのが、ア.換気が不十分な密閉空間、イ.集団の中、ウ.隣との距離が2m以内、この三つの円が重なった中心部分となっている。従って、三つの条件のどれかを解消すればリスクは軽減されることを認識することが大変重要である。 従って、屋外のイベントは、規制の対象からは当然外れる。
イベントの主催者は、過剰な反応することなく、イベント会場出入口でのチェック体制を強化することが必要。
対策例
ア.入場者は全員手指消毒を徹底。イ.咳・くしゃみがみられる人へはマスクの着用を義務付ける。ウ.屋内会場イベントの場合は、トイレ、ドアの取っ手、手すり、会場内の椅子すべてを、アルコール若しくは次亜塩素酸液で消毒するなどの対策をとる。
④ 各個人個人が災害に対する対応策の原理原則が取れなかった
私たちが考えておかないといけない災害対応の原則は、「自分の体は自分で守る。」ことにある。
周りから指導されて行動を起こすものではない!
周りからは情報として行動の参考にするのが一番正しい。
〇 自己防衛の正しい判断方法
ア.マスクは、健康な人はしないのが感染リスクは低い。
イ.マスク着用は、罹患した人若しくは、くしゃみ・咳がある人は着用するのが原則。
※マスクについての知識
新型コロナウイルスは、N95の医療用マスでも不十分である。ましてや、一般に市販されているマスクは、全く効果がない。むしろ、マスクが感染率を高くする危険性が高い。汚れた手で、何度もマスクに触ることで、手についたウイルスをマスクで拭き取る状態となり、そのウイルスを吸い込むことで、逆に感染率が高くなる。 特に子供は、正しいマスクの使い方ができないことから感染率が上がっている。
ウ.くしゃみ・咳・発熱症状がある場合、電話で医療機関から指示を受ける。いきなり受診をしない。
エ.感染の疑いがある場合は、インフルエンザと同様の対応で、家から出ない。インフルエンザは一週間がめどとされているが、新型コロナの場合は、二週間をめどとする。
オ.周囲に、くしゃみ・咳をする人がいた場合、極力距離をとるようにする。
カ.イベント等への参加は、くしゃみ、咳等身体的体調不良のある人は、絶対に参加しないことを守る。
〇今後の見通し
•5月以降終息の方向が見えると思われる。
•3月中は現状の警戒態勢を維持し動向を見ることが必要。
•4月以降は、出来る限りの感染症対策をとりながら、すべて規制解除しなければならない。感染症での犠牲者より、経済不況での犠牲者が増えることを防がなければならない。
〇まとめ
•我が国は、一定水準の生活レベルが保証されていることと、日本人のほか在日外国人の把握が確立されていることと、医療体制、健康保険制度等他国には例を見ない体制が取れていることから、国内におけるパンデミックは考えられない。また、新型ウイルスは、解明には一定時間を要するが、短期間で解明する能力を持っていることから安心できるものである。 ただし、今回不要な混乱を招いた原因の一つは、報道期間による報道内容の過剰報道と一貫性のない政府の対応発表があげられる。すなわち、正しい危機管理がなされなかった。
•国の役割
国内での感染状況による対応は、重大、要注意、注意、アドバイスに分け、各地域別に適切な対策をとることが必要であった。
「地域別感染状況にあった的確な対応」
現在で最も重要なことは、諸外国からの流入であることから、検疫の徹底と、特に感染重要国からの入国及び帰国者の2週間隔離観察は必須と考えられる。
アメリカがとった欧州国からの出入り制限はある意味効果があるものと思われる。(手法の問題は別)
•都道府県市町村の役割
実態を把握し、国の方針を参考にしながら、過剰な判断をすることなく、地方の発展に対する影響が出ないようにすることに重点を置き、独自の判断で対応することが行政としての役割である。
•国民の義務
自分の体は自分で守るの原則を守る。(自己管理・自己責任)
自己の健康管理を今まで以上に徹底する。
必須対応:手洗いの徹底、外出から帰った時の被服をはたく行為(ウイルス、ほこりを家に持ち込まない。)
情報に惑わされることなく、普通のインフルエンザ対応を考える。
健康な人は、普段どおりの生活で十分である。
健康体の人は、マスクはしないほうが安全である。
格言:1つの判断は、10の影響力を考える。
順天堂大学大学院医学研究科教授堀賢医師のアドバイス(報道から参考)
質問1 インフルエンザの死亡者と比較して恐ろしか?
回答 致死率は低いので怖がらなくてよい。考え方は、風邪が世界的に流行したものとの考えでよい。
インフルエンザで亡くなる方は、年間一万人にもなっている。
3月9日現在1210人がり患しその内16人が亡くなっているので、感染率3.4%、致死率は0.1%である。
我が国は、医療システムが高く、発展途上国は残念ながら低いため、多くの犠牲者が出ている。
質問2 新型コロナウイルスに感染すると必ず肺炎になるか?
回答 感染者の約8割が軽症で、何もしないで治るものである。
単なる風邪と考えてよい。
なお、重篤患者の5%の内、半分は助かっている。
質問3 新型コロナの検査体制はどうか
回答 検査はあまりしないほうが良い。
検査対象となる人は、風邪症状の高齢者、持病のある人のみ対象とすればよい。
全員検査に来るとなると、病院での感染拡大のリスクが高くなる。
再感染との報道があるが、再感染ではなく、体内に残っていたウイルスが再燃したとの考えが良い。
PCR検査は、2割から7割の確率で発見されることから、約半分は検査結果が出るが、残り半分は見逃すことになっている。
陰性でも二分の一の人は排菌する。
質問3 新型コロナ感染予防策は
回答 体調が悪い人は、学校、職場には出ない。すなわち外出しないこと。10日から14日程度。
休むことが原則。潜伏期間は12.5日。
質問4 マスコミ報道の問題点
回答 感染者数の発表で、累計数字を出すのではなく、1日の感染者数を出し、先週との比較をすることが大切。
質問5 学校の休校、イベント自粛を当面2週間としたのは正しいか
回答 2週間では足りない。
新型コロナは、不顕性感染である。したがって、感染している地域は慎重な対応が必要。
※不顕性感染とは、 細菌やウイルスなど病原体の感染を受けたにもかかわらず,感染症状を発症していない状態をいう。一般に感染しても必ず発症するとはいえず,大部分がこの不顕性感染となる。
質問7 うがいは効果があるか
回答 効果はない。
ウイルスは20分程度で細胞内に入るため効果はない。うがいは日本だけの習慣である。
質問8 来年になれば、新型コロナは普通の風邪になるのでは
回答 普通の風邪になる確率は高い。
ウイルスは一人で生きることはできないため、宿主に寄生して子孫を残す。したがって、宿主が亡くなればウイルス自体生きられないため、宿主を死なせることはしない。
質問6 手洗いの効果は
回答 手洗いが一番の対策である。
健康な人はマスクはする必要はない。
アルコール消毒の場合濃度は、60%~70%が一番良い。