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熊本地震発生から2カ月が過ぎました。

避難所生活していた方も、やっと仮設住宅へ、また、県営、市営住宅もみなし住宅として避難所生活から徐々に普通の生活に帰り始めました。

2ヶ月たった今も、熊本県八代市で震度5弱の余震が発生し、住民の人に恐怖を与えています。

余震の恐怖についてお話ししますと、余震が治まりつつあれば、皆さんは次第に安心されます。

しかし、震度3クラスの余震が発生しても、そんなに大きな揺れではないのですが、「揺れる!」という恐怖心が再び心によみがえってきます。

したがって、大きな揺れでなくても、このまま家の中にいれば、今度は家がつぶれるのではとの思いが発生し、「PTSD」を引き起こすことになるのです。

このように心的ストレスが一番怖いことになります。

今日も(16日)北海道函館で震度6弱の地震が発生しました。

熊本地震の被災者は、今回のように遠く離れた北海道で発生した地震でさえ、また自分のところへ地震が来るのでは・・と思われます。

また、今回の地震発生地では、「熊本のように、次は震度7クラスが来るのでは」と思われる人もいるでしょう。

このように、4月14日・16日発生した熊本地震の影響は今までにない恐怖心を全国民に与えました。

「熊本地震から学ぶ」ということで、シリーズでお送りしたいと思います。

今回は、「熊本地震の特徴」について書いてみます。

特徴

① 2日間の間に震度7クラスの地震が2回発生したこと。(観測史上初)

② 中央構造線断層帯上で発生。

③ 震度6弱以上の大地震に見舞われた県民は本県人口の83%に及び、少なくとも県民の10%以上が避難した。これは、阪神大震災の約2倍。

④ 危険と判定された建物は、1万4千棟を超えた。これは、阪神大震災の2倍以上。

⑤ 熊本市内及びその周辺は、約300年前には被害が発生しているが、ここ100年間は殆ど大きな被害を受けていなかった。

今回被害が多かった「益城町」は、今から16年前に震度5弱に見舞われ、屋根瓦の落下等が発生している。

※ 今回大きな被害に見舞われた地域の殆どの人が、大きな地震は発生しないと思っていたのもうなずける。

⑥ 4月14日発生の震源域は、日奈久断層帯の高野-白旗区間の活動によるものであり、4月16日発生の地震は、布田川断層帯の布田川区間を含む約2

6km、一連の地震活動は2つの断層帯が連動するようにして発生したと考えられる。

⑦ 4月14日と16日に発生した地震は、14日発生が前震、16日発生が本震と位置付けられたが、最初に発生した地震により次の地震が連動して発生したこ

とは十分に考えられるが、いずれも本震であったと考える。

⑧ 新耐震基準の建物が軒並み倒壊したことは、1回目の地震で、下から突き上げられるような動きの後に横に揺れ、柱のほぞが緩くなり、2回目の地震の時に

は、新耐震基準をはるかに下回ったため、軒並み倒壊したものと思われる。

⑨ 右横ずれ断層。最大横ずれ2m。

⑩ 最初の地震発生から6日間で本震を含め震度5以上の地震が16回発生している。

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調査に同行してくれた熊本県庁職員さん 新耐震基準後建築の倒壊住宅 布田川断層東の端(大きくずれている)

平素より私のホームページをご覧いただきありがとうございます。

この度、システムトラブルが発生し、開けない状態が続いておりましたが、やっと閲覧が可能となりました。

長い間ご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。

引き続き、ご利用いただき、防災・危機管理関連の情報を書き込みますのでご覧いただきますようお願いいたします。

早速ですが、総務省の「災害情報伝達に関するアドバイザー事業」と「熊本地震」関連の内容をアップしますのでご覧ください。

林防災危機管理事務所 代表 林繁幸

東日本大震災を教訓とし、毎年日本列島のどこかで大規模災害が発生し、その度に多くの犠牲者が発生しています。

自然災害はいつどのような規模でどこに襲ってくるか予想が付きません。(但し台風等豪雨災害はある程度早めに予見できます。)

すなわち人間は自然災害には絶対に勝つことは出来ないのです。

そうは言っても、災害で怪我は勿論、命を落とすようなことがあっては絶対にならないので、唯一人間が持つ、「災害には勝てないけど、人間は生き延びる知恵を持っている。」のごとく、知恵を十分に働かせる知識を身につけることが最も大切なことと思います。

そのためには、可能な限り事前対策をとることで、方法としては、「情報」に尽きると言っても過言ではありません。

その情報は、与えられる情報、取りに行く情報があり、双方ともとても重要なことです。

総務省としては、全国の自治体における防災担当者に対し、どのようにすれば正確な情報が早く伝えられるかを目的とした、「災害情報伝達に関するアドバイザー」事業を行っています。

今年度も、北は北海道から南は九州沖縄まで、26の自治体に対し、国から出向いて行って、ハード対策・ソフト対策について各自治体に合ったアドバイスを行ってきました。

この事業は、一定の基準により希望自治体を受け付け、自治体系アドバイザー7名、企業系アドバイザー9名、総務省から5名の合計21名でそれぞれ手分けをし、アドバイスに行くといった事業です。

費用は全額国の予算から出ますので、受ける各自治体は、一銭も出すことはないと言った、こんなうまい話の事業なんです。

中には、この事業が始まった3年前から、毎年手を挙げる自治体もあります。(毎回違う相談を受けています。)

行政マンは、公安職のように災害対応専門家ではなく、更に小規模自治体は、防災と他部署との兼務と言った防災兼務体制をとっているところが結構あります。

今年度の当該事業も無事終えましたので、私なりの所感を申し上げますので、今後の参考にしていただければ幸いです。

災害にあまり見舞われたことのない自治体は、防災に対する意識が低いと感じました。

あるところでは、初めて大規模な豪雨災害に見舞われ、何をしてよいかわからず、時間だけが過ぎ去ってしまった。と反省をしておられました。

また、ここ最近の豪雨災害では、被害の大きかった自治体では、首長が謝罪をする場面が結構目につくようになりました。

一般の方から私に、「首長があんなに簡単に謝ってもよいのですか。あまりにも無責任ではないでしょうか。」との質問がありました。

状況によっては、いくら謝罪されても、犠牲になった方は帰ってきませんので、そうならないためにも、この事業は大変役に立つ事業と思っています。

「転ばぬ先の杖」が正にこの事業と言えるでしょう。

来年度も、引き続きあるようですので、ハード面、ソフト面でのアドバイスを受けるため手を挙げて見られませんか?

島根県大田市で今年度取り組まれた防災研修が、今日3月13日で終了しました。

今日は、午前中「五十猛(いそたけ)」地区と午後「鳥井(とりい)」地区で、昨年に引き続きDIG(ディグ)という図上訓練を行いました。

この2地区は、万寿3年5月23日大規模な津波に襲われたと言い伝えられる地区で、特に「鳥井地区」は海岸から直線距離で約1.3km離れた海抜約20mの峠を津波により船が流され越えたと言われ、この坂が「船越坂(ふねんござか)」と今日まで言い伝えられています。

当時は、正に東日本大震災で被害を受けた、南三陸、気仙沼の様な状態ではなかったかと思われます。

勿論ここ何十年と、地震被害はもとより、大きな津波被害も発生してはいませんが、地元の人は、今でも大津波に襲われたとの言い伝えにより、防災意識も高いのが伺えました。

午前中の五十猛地区では、まちづくりセンターで、約40名以上の参加のもと、昨年途中まで作り上げていた「地域独自の防災マップ」を完成系に仕上げていただきました。

午後の、鳥井地区は、30名程度の参加で、この地区は新たに白地図から作成していただきました。

両地区とも、各班(3班)の進行役のリーダーの方を中心に、過去の災害記録を参考にしながら、危険個所、避難場所、避難経路と言った「災害発生時に必要とする内容」を地図上に表示し、出来あがった防災マップを元に、今回は「豪雨災害」を想定して、参加者全員が、付箋紙を使い、5分と言う限られた時間内に、考え付く災害対応を出来る限り書き出し、図面上に張っていただきました。

最後に、発表者の方が、それらの内容をまとめ、各班の災害対応全般について発表していただきました。

特に今回は、発表が終わった時点で、他の班から質問が出たり、また災害発生の補足がある等、地域を守る防災意識の高さが伺えました。

センター長さんからは、今後地域独自に防災研修を継続していきますとの考えを聞かされ、大変嬉しく思ったところでした。

また今日は、地域住民の方以外に、大田警察署から警備課長さんに駐在所のお巡りさんも参加されるなど、官民一体となって地域防災を考えられたことが、とりもなおさず、地域住民の方にとっては、いつ来るかわからない災害に対し、安心して暮らせる体制づくりにつながっていることに他ならないと言うことでしょう。

企画立案実行されました、大田市役所政策企画部地域振興課の細田さんを中心に、紙田さん、園山さん大変お疲れさまでした。

園山さんは、今日の会場にも自分の勉強のためと来られました。

全国の皆さん、大田市のような取り組みを是非参考にしていただき、過去の災害対応で何回となく目にする、首長、防災担当者の謝罪会見を行うようなことにならないようにしていただきたいと思います。

今回は、訓練風景の写真添付が出来なかったことお詫びします。カメラのメモリーオーバーでした。

参考

この新聞記事は、日本海の海岸に近い「鳥井小学校」の生徒を津波から守るため、地区の高齢者ボランティアの皆さんが、昨年11月から今年2月までの約4カ月かけて、校庭の裏山の木を伐採し、山肌を削り、階段を作り、避難道を作られたと言う毎日新聞の記事を紹介します。(2月29日毎日新聞石見版)

東日本大震災で、ほぼ全員が津波の犠牲となった「大川小学校」と地理的条件がほぼ一致する状況にある「鳥井小学校」です。

大川小学校も、このような取り組みが行われていれば、あのような犠牲者を出すことはなかったことが悔やまれます。

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島根県大田市には、世界遺産「石見銀山」の観光地を有する温泉町があります。

当温泉地は、温泉津と書いて「ゆのつ」と読み、昔は、山で掘られた銀を、港から運び出したと言われ、閑静な山間に昔ながらの温泉旅館が立ち並ぶ古風な温泉街で、平成16年7月に、「温泉津町温泉津伝統的建造物群保存地区」の名称で国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたところです。

この温泉津温泉、薬効が高いところから、「原爆症」によく効くと言われ、湯治場として位置付けられているとのことです。

国道9号線を西に進み、大田市のはずれに近付くと、大きな立て看板で「温泉津温泉入口」と書かれており、ここから車で5分~6分で行けるところにあります。

温泉津の町から温泉街への進入道路は若干狭く、このあたりから秘湯をにおわす風景が続き、やがて古風な旅館が立ち並ぶ温泉町に到着します。

今回私に依頼があったのは、年間沢山の旅行客が来られる温泉街の防災を、従来から地域ぐるみで守られており、そのノウハウを高めるために依頼されたのでした。

会場は、「小浜会館」で、地域住民の方40名程度集まられ、近年の災害の特徴等をお話しし、大きな災害になる前の情報の取り方、地区内への伝達方法、早め早めの行動等々について認識を新たにしていただきました。

この地区は、港を有し、山を背にした町並で、地形的には災害に弱い地域と言わざるを得ないところですが、災害による被害拡大は必ずしも地理的用件だけではありません。

地域を守る住民の意識レベルが高いか低いかによっても大きな違いがあります。

特に、観光地の温泉町は、観光客の方が安心して泊られる事が一番の「おもてなし」であることから、他の地区と違って、防災意識はより高いものがあります。

ここ温泉津温泉も同じく先進的に取り組んでおられ、今回の研修も「まちづくり委員会事業」として、小林連合自治会長さんと河原まちづくりセンター長さんがタッグを組み行われたものです。

1時間半の講義に、参加された皆さんは熱心に耳を傾けていただき本当にありがとうございました。

私はつねがね、「目的なくして方法論なし」と言っています。

しっかりとした目標があるから、それを達成するための方法論を考えるのであり、方法論から入ると目標がぶれてしまいます。

観光客の皆さんの安全を地域ぐるみで守る!を目標としていただき、防災意識も保険の様なものですから、継続することが大切です。

どうでしょう。まだこの地「温泉津温泉」に来られた事のない方、一度来てみられては如何でしょうか。

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昨日(3月5日)私の事務所から1時間半かけて、大田市2か所で午前・午後講演し、夕方6時半に帰り、今朝(3月6日)再び大田市に向け朝7時半に事務所を出発しました。

今日も午前中大田市長久地区で図上訓練(DIG)を行い、午後は静間地区で同じく図上訓練(DIG)を行いました。

この2か所の地区は、今年で3回目であり、1回目は「防災全般から自主防災組織結成まで」のお話しをし、2回目を行った昨年は、地図を元に各地区独自のハザードマップを作っていただき、自分たちの住んでいる地域はどのような災害発生危険があるか、有事の際の避難場所は、要支援者対策は等々各班で意見を出し合っていただき、代表の方に発表していただきました。

今回は3回目で、昨年使った地図に更に手を加え完成系にするという、DIG2回目を行った訳です。

ほぼ完成した「地区独自のハザードマップ」を元に、今回は「豪雨災害」に特化した想定を与え、豪雨災害に対しての平時の備えから、災害発生危険となった時の「初動体応」、地区内住民への広報、避難開始時期のタイミング、どこを通ってどこへ避難するか、要支援者は誰が守るのか等々をまとめていただき、それぞれの班から発表していただきました。私はこれを「防災甲子園」と名付けています。

この「防災甲子園」は、各グループ(班)が自分の住んでいる地域の安全・安心をどのように考えているかを色々な視点でとらえ、災害対応を発表し合うと言った内容です。

本来は、発表には審査員を付け、最優秀賞を獲得したグループには、賞品(地域で有効な防災用品)を与えるのですが、今回は発表のみとし、最後に講評すると言った形をとりました。

今回参加された「長久」「静間」両地区とも流石に2回目となると、慣れたもので、1回目に使った地区ハザードマップに更に付けくわえ、又は変更になったところの修正等テキパキと作業が進められ、ほぼ完成としました。

中でも、「静間」は、谷の深い大きな2本の川を有し、更にこの2本が上流で合流し、そこへ支流が流れ込むと言った、正に河川水害危険区域でもあります。

したがって、特に静間地区の方は、地域全員が本気で考えないといけない地区でありますが、残念ながら防災意識がまだまだ薄いとの意見がありました。

今後は、大田市からゼンリンの地図データを各地区に配布し、今回出来あがった「地区ハザードマップ」を基に、さらに細分化し「各単位自治会」でハザードマップを作っていただくようになるとのことです。

全国各地区の皆様如何でしょうか。この島根県大田市の取り組みを是非参考に、各地区の「防災地域力」を高めて見られては如何でしょうか。

長久まちづくりセンターでの訓練風景 

DIGの仕方を説明 各テーブルで検討 発表         

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静間まちづくりセンターでの訓練風景(緑色のベスト着用者は、昨年誕生した防災委員の方々です。)

各テーブルで書き込み作業 発表

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大田市の久手町と言えば、出雲から大田市に入って二つ目の町で、日本海に面しており、災害の中でも津波被害を心配されている地域です。

昔から、出雲から大田市までの地域を覚えるには、「波根(はね)ー久手(くて)ー大田(おおだ)」の順になっていますが、呼び名を覚えやすいように、「はねくっておおだ」とも呼ばれています。

何だか、跳ねっているうち大田に着く、と言ったように、出雲市から大田市までは以外と近いんですね。

今日は、久手まちづくりセンターに地域の方が30名以上参加され、災害に対する考えを学ばれました。

嬉しかったのは、元仕事の関係でお世話になった方に何十年ぶりに元気な姿でお会いし、元気なればこそ再会が果たせるとつくづく感じていました。

話の最初に、私から、今年も全国どこかで大きな災害が発生すると思いますか?と質問しました。

手が挙がったのがわずか4名で、殆どの方は平穏な1年になるだろうと思っていらっしゃると言うことでした。

私としては、何と平和な地区だろうと思ったところでしたね。

しかし、話が始まると皆さんの眼つきが変わり、1時間半の講演時間、瞬きもせずに(ちょっとオーバーでした。)熱心に聞いていただきました。

お話しが終わった時には、皆さんから口々に、「私たちはいったいどこへ避難したらいいの?」とか「どうやって避難しようか。」「だから地域で話し会ってどうするか決めんといかんじゃないか。」との会話が始まりました。

私としては、この言葉、このような考えになってほしかったのでした。

今までに、頼まれて話した地区でも、最後にこの様な会話が出たところは殆どありませんでした。

いや~ほんとに話した甲斐があったと思いました。出来ればこの雰囲気が続いてほしいですね久手地区の皆さん。

どうか、真に安心して住める町を作って下さい。

今日のきっかけづくりを作って下さった市役所の「園山さん」お疲れさまでした。これからもサポートお願いいたします。

講演風景

 

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連日大田市での講演があり、今日(2月23日)は、大田市温泉津(ゆのつ)の福波地区の住民の方を対象に防災研修を行いました。

この福波地区と言うのは、大田市の一番西寄りの地区で、江津市との境になるところです。

高速道路が一部開通し、仁摩町と福波地区の移動はとても便利になっています。

料金も無料ですので、仁摩から江津、浜田方面に向かわれる方は、この道路を利用されるととても便利ですね。

さて、今までは、土曜日曜と言ったお休みの時の研修でしたが、今日はウイークデー。実はどのような方が参加されるか興味がありました。

最初にセンター長さんが、「昼間家庭を守る、地域を守る方々の防災に対する意識を高める目的で開催しました。」と説明があり、センター長さんとしても正直どの程度の方が集まられるか不安だったそうです。

集まって来られた方々は、40人を超え、男性、女性ほぼ半々で、センター長さんもほっと胸をなでおろしていらっしゃいました。

と言いますのも、人数集めが目的となれば、それだけのことになってしまいますが、今日参加された方は、昼間何か起これば自分たちが家族・地域を守らなければならないとの思いを持たれた方の集まりが、この人数になっていたからでした。

さしずめ「留守は私たちに任せてチョーダイ隊」とでも言いましょうか・・・・。

1時間半と言った講演時間で休憩もなく、私が一方的にしゃべりまくっていたにもかかわらず、誰ひとりとしてお休みになる方もなく、熱心に聞きいれていただいたことが、地域の皆さんの防災に対する思いが深いと言う事ではなかったでしょうか。

でも私としては残念なことがあったのです。

と言いますのも、冒頭、災害発生の危険性を質問したところ、大半の方が、「大きな災害は発生しないのでは。」若しくは「自分たちの地域には災いは降りかかってこない。」といった考えの方が多かったと言うことでした。

近年、これだけ日本全国に災害が発生している中で、まあのんびり構えていらっしゃること、と思ってしまいました。

しかし、中には、自ら「非常持ち出し袋」を持参され、いつでも持ち出せるよう、わかるところに置いています。と言う方が参加されていました。

詳しく聞いてみますと、地区婦人会の方が、全戸に配られたそうです。素晴らしいじゃないですか!

どうも、質問に対し手が上がらなかったのは、奥ゆかしい方の集まりだった様ですね。

今日の講演の後で、一人の男性の方が私の所に来られ、今後各自治会単位で「自主防災組織」を立ち上げ、その中で更に「防災委員会」と言う名前で10人程度の班を作り、避難が発生した場合、このグループで助け合い、一時避難所更には二次避難所へと避難する計画があることを知らされました。

どうでしょう、全国の皆さん、是非参考になさってください。

大田市は、日本「住みたい田舎」ベストランキング総合1位になっているとのことです。

大田市はこのようなところなんです。皆さん、災害体制でも安心できる、この街に「定住」を考えて見られませんか?

講演風景

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島根県大田市仁摩町と言えば「世界最大の砂時計」があると言えばお分かり頂けると思います。

何故ここに砂時計かと言えば、砂を踏むと「キュキュ」と音がする「鳴り砂」で有名なところです。しかも、日本砂サミットが開催された時も、最も良く鳴る砂がここ仁摩町だったんですね。

皆さんも是非「サンドミュージアム仁摩」に是非来て観て下さい。とても素晴らしい「ロマンあふれる街」ですよ。

この地で、今日(2月21日)防災についてのワークショップ「DIG(ディグ)」を開催いたしました。

仁摩町の4地区から、それぞれ代表的立場の方40人が参加され、6班に分かれて、各地区独自のハザードマップを作っていただきました。

最後に、災害想定を、「豪雨災害」「地震災害」「火災」を与え、それぞれの地域の特性からそれぞれの災害ごとに、どのような危険性があり、どのように対応するかを発表していただきました。

この図上訓練の狙いはといえば次の4項目だったんです。(訓練として私の狙いは隠しておきました。)

①事前に内容が示されていないこと。

②当日参加されたメンバーで、リーダー、書記、発表者を決める。

③災害想定を当日与えて、限られた時間内で対応策をまとめ上げる。

④限られた時間内(5分間)で各地域の災害対応を、各班で簡潔にまとめ発表する。(防災甲子園と名付けています。)

始める前に、すべに対する基本的概念をお話しし、ルール説明をしたのち、限られた時間内で与えられた地図に書き込み、独自のハザードマップを作製することでした。

基本的概念とは、「目標を持って取り組む人は、何が出来るかを考えるが、そうでない者は言い訳を考える」。すなわち、当日与えられたもの、指示されたことに目的を達成するためにはどのように取り組むのが最善かを一番の目的としたのです。

災害は、いつ、どのような規模で、襲い掛かってくるか分かりません。すなわち、理想とするものがあれば、災害対応にこれほど楽なことはありません。(ない物ねだりは災害対応をつかさどる者は絶対にやってはならないことです。)

十分なものがない中で、瞬時にして何が出来るかを養うのが、この図上訓練(DIG)に大きな意味があるのです。

今日参加された各地区の方々は、グループ内で意見を出し合い、各地区の災害特性、それに対する対応、中には、事前対策としての要望など、私がこの訓練の本当の意味を隠して実施したにもかかわらず、私が求めていた訓練の70%の出来栄えでありました。(災害対応に100%はあり得ませんので。)

とても初めてとは思えないくらい、日頃から災害対応が頭に入っていることが分かりました。

仁摩地区の住民の皆さん、100%とは言いませんが、安心できると思いますよ。不足分はこれからの積み重ねを期待申し上げます。泉館長さんお疲れさまでした。サポートしていただいた2名の女性職員の方(名前は伏せます。)ありがとうございました。

訓練風景(訓練説明)

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各班の訓練風景

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最後の発表

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島根県の大田市と言えばピンと来るのが、あの世界遺産に登録された「石見銀山」ではないでしょうか。

この大田市、実は防災に強い町づくりををテーマに、非常に熱心に取り組まれている自治体なんです。

縁あって私は3年前から各地区での防災研修等の講師として、その地域その地域に合ったお話しをさせていただいたり、図上での訓練をしたりしているところです。

実は、この大田市、今年度は今まで以上に熱心に防災に取り組まれる計画を立てられ、2月から3月にかけて集中的に、ほぼ全地区それぞれの地域ごとに防災研修が行われることになりました。

今年度も、ありがたいことに白羽の矢を立てていただいて、出向くこととなりましたが、各地区単位ですので、この期間、大田市へ通勤しているような状態です。

今日(2月20日)は温泉津町(ゆのつちょう)湯里まちづくりセンターで、自治会長・消防団・民生児童委員・婦人会代表・老人クラブ代表と言った方の参加で、研修がなされました。

実は、大田市は、実効性のある「自主防災組織」をどのようにして結成するかに重点を置かれており、今日の研修地区は、これから結成しようかとの第一歩を踏み出されたところです。

内容は、今地球環境はどの様になっていて、どんな災害が発生しているか、今後どの様な災害に発展するかを説明し、各自は何が出来るか、何をしなければならないか、地域は何をしなければならないか、災害弱者の方をどのように見守るか。

と言った内容で話をしました。

皆さんは、非常に熱心に聞いていただき、私の話す内容を吸収される姿が「ビンビン」と帰ってきていました。

地域の中には、地域防災づくりをしなければ、助かる命も助からない、との思いから「自主防災組織等」地域のつながりを強固にしたいと思ってい方が沢山いらっしゃることと思いますが、やりたくても色々な事情で出来ない方がいらっしゃいます。

この思いを誰かが汲んであげなければならないので、それぞれの地域で、誰が第一歩を踏み出されるかであると思います。

そのきっかけづくりの中心は、やはり行政であると思います。

大田市には、まちづくり推進課というのがあって、その担当者の方が大変熱心に各地区に働きかけていらっしゃいます。

今日は、この推進課の紙田さんと言う方が、一生懸命企画されていました。

そして、各地区には、「○○まちづくりセンター」があり、行政とタイアップしてあらゆる面での「住みやすい」まちづくりに取り組んでいらっしゃいます。

いい意味での「まちづくりセンター」どうしの競い合いになっているかもしれません。

私はこのような体制作りは、全国的にも珍しいのではと思っています。

ここまでくれば、後は、住民自治による防災体制を確立していただき、防災体制世界遺産になることを期待しています。

ちょっとオーバーだったかな・・・・。

明日は、仁摩町で各地区独自の防災マップを作っていただきます。

2016_0220_131830-P2201066 熱心に聞いていただいている「湯里地区」各方面の代表者の方々です。

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