島根県大田市で今年度取り組まれた防災研修が、今日3月13日で終了しました。
今日は、午前中「五十猛(いそたけ)」地区と午後「鳥井(とりい)」地区で、昨年に引き続きDIG(ディグ)という図上訓練を行いました。
この2地区は、万寿3年5月23日大規模な津波に襲われたと言い伝えられる地区で、特に「鳥井地区」は海岸から直線距離で約1.3km離れた海抜約20mの峠を津波により船が流され越えたと言われ、この坂が「船越坂(ふねんござか)」と今日まで言い伝えられています。
当時は、正に東日本大震災で被害を受けた、南三陸、気仙沼の様な状態ではなかったかと思われます。
勿論ここ何十年と、地震被害はもとより、大きな津波被害も発生してはいませんが、地元の人は、今でも大津波に襲われたとの言い伝えにより、防災意識も高いのが伺えました。
午前中の五十猛地区では、まちづくりセンターで、約40名以上の参加のもと、昨年途中まで作り上げていた「地域独自の防災マップ」を完成系に仕上げていただきました。
午後の、鳥井地区は、30名程度の参加で、この地区は新たに白地図から作成していただきました。
両地区とも、各班(3班)の進行役のリーダーの方を中心に、過去の災害記録を参考にしながら、危険個所、避難場所、避難経路と言った「災害発生時に必要とする内容」を地図上に表示し、出来あがった防災マップを元に、今回は「豪雨災害」を想定して、参加者全員が、付箋紙を使い、5分と言う限られた時間内に、考え付く災害対応を出来る限り書き出し、図面上に張っていただきました。
最後に、発表者の方が、それらの内容をまとめ、各班の災害対応全般について発表していただきました。
特に今回は、発表が終わった時点で、他の班から質問が出たり、また災害発生の補足がある等、地域を守る防災意識の高さが伺えました。
センター長さんからは、今後地域独自に防災研修を継続していきますとの考えを聞かされ、大変嬉しく思ったところでした。
また今日は、地域住民の方以外に、大田警察署から警備課長さんに駐在所のお巡りさんも参加されるなど、官民一体となって地域防災を考えられたことが、とりもなおさず、地域住民の方にとっては、いつ来るかわからない災害に対し、安心して暮らせる体制づくりにつながっていることに他ならないと言うことでしょう。
企画立案実行されました、大田市役所政策企画部地域振興課の細田さんを中心に、紙田さん、園山さん大変お疲れさまでした。
園山さんは、今日の会場にも自分の勉強のためと来られました。
全国の皆さん、大田市のような取り組みを是非参考にしていただき、過去の災害対応で何回となく目にする、首長、防災担当者の謝罪会見を行うようなことにならないようにしていただきたいと思います。
今回は、訓練風景の写真添付が出来なかったことお詫びします。カメラのメモリーオーバーでした。
参考
この新聞記事は、日本海の海岸に近い「鳥井小学校」の生徒を津波から守るため、地区の高齢者ボランティアの皆さんが、昨年11月から今年2月までの約4カ月かけて、校庭の裏山の木を伐採し、山肌を削り、階段を作り、避難道を作られたと言う毎日新聞の記事を紹介します。(2月29日毎日新聞石見版)
東日本大震災で、ほぼ全員が津波の犠牲となった「大川小学校」と地理的条件がほぼ一致する状況にある「鳥井小学校」です。
大川小学校も、このような取り組みが行われていれば、あのような犠牲者を出すことはなかったことが悔やまれます。
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