島根県大田市には、世界遺産「石見銀山」の観光地を有する温泉町があります。

当温泉地は、温泉津と書いて「ゆのつ」と読み、昔は、山で掘られた銀を、港から運び出したと言われ、閑静な山間に昔ながらの温泉旅館が立ち並ぶ古風な温泉街で、平成16年7月に、「温泉津町温泉津伝統的建造物群保存地区」の名称で国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されたところです。

この温泉津温泉、薬効が高いところから、「原爆症」によく効くと言われ、湯治場として位置付けられているとのことです。

国道9号線を西に進み、大田市のはずれに近付くと、大きな立て看板で「温泉津温泉入口」と書かれており、ここから車で5分~6分で行けるところにあります。

温泉津の町から温泉街への進入道路は若干狭く、このあたりから秘湯をにおわす風景が続き、やがて古風な旅館が立ち並ぶ温泉町に到着します。

今回私に依頼があったのは、年間沢山の旅行客が来られる温泉街の防災を、従来から地域ぐるみで守られており、そのノウハウを高めるために依頼されたのでした。

会場は、「小浜会館」で、地域住民の方40名程度集まられ、近年の災害の特徴等をお話しし、大きな災害になる前の情報の取り方、地区内への伝達方法、早め早めの行動等々について認識を新たにしていただきました。

この地区は、港を有し、山を背にした町並で、地形的には災害に弱い地域と言わざるを得ないところですが、災害による被害拡大は必ずしも地理的用件だけではありません。

地域を守る住民の意識レベルが高いか低いかによっても大きな違いがあります。

特に、観光地の温泉町は、観光客の方が安心して泊られる事が一番の「おもてなし」であることから、他の地区と違って、防災意識はより高いものがあります。

ここ温泉津温泉も同じく先進的に取り組んでおられ、今回の研修も「まちづくり委員会事業」として、小林連合自治会長さんと河原まちづくりセンター長さんがタッグを組み行われたものです。

1時間半の講義に、参加された皆さんは熱心に耳を傾けていただき本当にありがとうございました。

私はつねがね、「目的なくして方法論なし」と言っています。

しっかりとした目標があるから、それを達成するための方法論を考えるのであり、方法論から入ると目標がぶれてしまいます。

観光客の皆さんの安全を地域ぐるみで守る!を目標としていただき、防災意識も保険の様なものですから、継続することが大切です。

どうでしょう。まだこの地「温泉津温泉」に来られた事のない方、一度来てみられては如何でしょうか。

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