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島根県減災目標策定員に就任

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今年6月まで、「島根県地震被害想定員会委員」を務めていましたが、内容がまとまり、先般「島根県地震被害想定調査報告書と概要版」が出来上がりました。

当初は、今年3月末には出来上がる予定でしたが、ご存じのように「東日本大震災」が作業途中に発生し、内容についても当該地震の検証結果も取り入れることとしたため、今までになかった知見も取り入れ出来上がりました。

東日本大震災後全国でも初めての被害想定報告書が出来上がりましたので、島根県民はもとより今後策定される全国の自治体の大いなる参考になると思います。

御活用を。

このように、被害想定が完成しましたので、このままで終わってしまえば、当然ながら「被害想定はわかったがそれではどうすればよいでしょうか。」ということになります。

これからは、想定される災害に対する減災対策をどうするかが大変重要となります。

そのために、これから減災対策を引き続き行うことになりました。

現在私は総務省の「災害に強い電子自治体」の構成員として大規模地震に耐えうるITCの安定的対策を研究していますので、可能な限り反映させ、防ぐことの出来ない自然災害に対する限りなくゼロに近い被害とする「減災対策」を作りたいと考えています。

出来上がるまで今しばらくお待ちください。

中心市街地の防災力を強化

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松江市の中心市街地の一つである、白潟地区、魚町地区、天神町、和田見地区は高齢化が進み、空き家も増える現状にあります。

今一番心配なのは、防災・防犯対策です。

この現状を商店街の若者経営者を中心に危機感を募らせ、「今やらねばいつやる」「我々がやらねば誰がする」このような考えから今動き出そうとしています。

早速9月15日に「来て・見て・触れてあなたの防災体験」と銘打って防災イベントが開催されることになりました。

私は、防災危機管理アドバイザーとして内容について相談を受け、実効性のある企画を提案したところです。

災害発生時「何をしなければならないか」ではなく「何ができるか」を基本とし、様々な体験をもとに知識を深めていただこうとのイベントです。

来年は、更に大規模な企画が計画されつつあり、いま一番脆弱な、ドーナツ現象で衰退しかけている中心市街地をまず「安全で・安心して暮らせる」町に位置付け、これが敷いては町の活性化の起爆剤になるものと信じています。

今こそ「わしがやらねば誰がする」の精神で取り組まれることを大いに期待します。

 

5月6日午後0時38分、茨城県に「竜巻注意情報」の発表後、つくば市中心部から北西約12kmで発生した竜巻は、東方向へ巾50m長さ15kmにわたって被害をもたらしました。
私は、9日出雲空港を朝一番の飛行機で東京へ、そしてつくばエキスプレスでつくば市に入り、レンタカーを借り、最初につくば市消防本部へ行きました。
発生経過、被害状況等々話を聞いた後、竜巻が発生した地点からどのように移動したのかを調べるため、発生地点に向かいました。つくば市は御存じのとおり、筑波山のふもとにほぼ平坦地の地形で広がり、その中をほぼ真っすぐな広い主要幹線道路が何本にもあり、更に、街中に街路樹が立ち並び、閑静な学園都市と言ったところです。
このような地形だからこそ竜巻が発せしたとも考えられます。
最初発生したのが、「吉沼地区」の西あたりと言われていますが、被害が出たのは「吉沼地区」で2世帯が被害を受け、その東、「西高野地区」で20世帯、更に東に進み、「大砂地区」で12棟全壊、18棟半壊、そして「和台」「山本」を通過し、一番被害が多かった「北条」では、死者が発生するなど、30棟~50棟が全半壊していました。
竜巻は、台風と違い、台風の横風に対し、下から持ち上げる風が特徴です。建物、樹木被害を見てもそのすさまじさがわかりました。特に樹木は、ねじり回して引きちぎった状況でした。
今回の竜巻、専門家によると3か所で同時に発生したことが分かり、このような竜巻は、日本で初めてだそうです。
竜巻と言えばアメリカと言った考えが一般的ですが、今や異常気象何処で何が起きてもおかしくありません。
「災害を知る」すなわち、「敵を知り 己を知れば 百戦危うからず」で、災害を知り、そこでどのような対応するかを日ごろから心がけることが今最も求められる時に来ています。
この竜巻については、今後の講演活動で詳しくお話したいと考えています。
つくば市消防本部の職員の方、お忙しい中いろいろ対応していただきありがとうございました。

5月1日松江市内で、島根県地震被害想定調査検討委員会を溝口島根県知事同席のもと公開で行われました。
島根県には、平成7年~8年にかけて被害想定調査が実施され、県内の地震発生時における被害想定が報告されています。
今回、平成22年度から23年度にかけてそれを全面改定するため委員会を設置し検討しています。
膨大な資料をもとに、地震による直接被害、津波、火災、ライフライン等など検討し、ほぼ大綱が出来上がり、全体像が示されたのが昨年の3月11日でした。
会議の途中、東日本で大規模な地震が発生したとの情報が入り、一時会議は中断!情報を収集したところ、大規模な地震であることが分かり、島根県の危機管理担当者はいち早く県庁に帰られ、残った事務局数名と委員で会議を進めていました。
ところがこの地震が、策定途中の島根県地震被害想定に大きな影響が発生したことは言うまでもありません。
再度見直しをしなければならないことになったのです。当然予定期間は大幅に変更となり、24年度に食い込み昨日やっと、東日本大震災の実態を踏まえた大筋が出来上がり、それに基づき各項目をチェックしたところです。
委員会では、東日本大震災後初めてとなる地震被害想定であり、全国的にも注目を浴びているところから、より参考となる想定を出さなければならないと考えています。
今まさに日本列島全土に「地震発生一発触発!」といった感がしています。防災関係者の皆様出来上がりをお待ちください。

我が国の危機管理体制は?

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去る4月13日午前7時38分55秒に、予定されていた北朝鮮の人工衛星こと弾道ミサイルが発射されました。
我が国における政府からの情報発信が遅れたことで、国会も報道機関も我が国の防衛・危機管理体制の
不備に大きな問題点を指摘しています。
防災危機管理を担当するものとして検証してみました。
①今回の問題点
  政府は国民に不要な混乱を避けるため、迅速にしかも正確な情報を知らせるためダブルチェック体制
  をとっていた。
  ・アメリカ・韓国とも確認していたが、「熱源」のみで、人工衛星なのか、ミサイルなのか判断がつ
   かなかった。
  ・日本のレーダーシステムで確認したが、発射1分後に消息不明となり追尾の確認ができなかった。
  ・正規に飛行すれば当然追尾可能となり、確実な情報を発表し、安全対策が指示できたが、1分後に
   追尾不能となれば、いずれにせよ日本には影響ないとの判断が生まれる。
  ・この時点で、人工衛星打ち上げの決定的確認が取れなかったため、「確認していない。」と発表した。
  ・引き続き正確な情報収集に努めたが、時間ばかり経過し、確たる確認が取れない中で、機体が爆発し
   バラバラの破片が「黄海」に落下したとの海外メディアの報道により、時間切れと判断、当初の情報
   をもとに発表したものであり、正確な情報をつかむことができない中で「見切り発車」との声もある。
②危機管理には危機管理のプロを!
  行政マンは、未確認情報については発表しない。
  ・危機管理のプロは、情報を瞬時に判断し決断する能力を有する。しかし、行政マンは、自分の目で確
   認できなければ決断できない。
  ・状況証拠がそろっていても、日本国に直接影響がないと判断すれば、更に確実な情報をとろうとする
   考えが生まれる。このことが今回の判断ミスの大きな原因と考えられる。
  ・しかも今回は2重のミスを行った。田中大臣の言葉。
   ① 報道機関から政府の対応のまずさを指摘され、「情報伝達が遅れたとは考えていない」と断言し
     た。
   ② 断言は命取りになる!本当に不手際がなければ良いが、その後、官房長官自らも、対応のまずさ
     を認識し、しっかりと検証する考えを示した。
③危機管理のプロの目
  北朝鮮の人工衛星(弾道ミサイル)の発射は、4月12日~15日の間、時間帯は午前7時から正午ま
  でとあらかじめ分かっていた。
  関係者はすでに臨戦態勢を敷いていた。
  国民も突発するテロとは違い、あらかじめ予想されていたため、発表があればパニック的行動は起こ
  さない状況にあった。
  同盟国のアメリカからは瞬時に情報が入っており、同時に韓国情報も入手していた。
 等々状況証拠がそろっており、まず間違いないと判断することが重要。
  次発表内容は、不確実要素も含んでいることから、発表する言葉は慎重を期することが大切である。
  仮に誤報であっても、発表の仕方で大きな混乱は避けられる。
④我が国の危機管理体制の欠如
  ・平成18年7月5日北朝鮮からミサイル発射。
   予兆があったにもかかわらず、政府は万一に備えながらも本音は発射されないと思っていた。結果、
   日本海へ着弾してから発表することになった。
  ・平成20年2月19日最新鋭海上自衛隊「イージス艦あたご」衝突事故においても、防衛大臣に連
   絡が入ったは事故後1時間半たった5時40分。更に総理大臣へは25分遅れの6時5分であった。
  ・平成23年3月11日東日本大震災
   政府はあのような規模の津波被害は「想定外」と発表した。危機管理の基本は想定することにあり、
   「想定外」とするなら、まったく考えていなかったことになる。
  ・平成24年4月13日北朝鮮から人工衛星と称する「弾道ミサイル」発射を瞬時に発表できなかっ
    た。いづれにしても、最も重要な局面で過去の反省が生かされていない!我が国の国民はだれに
    命を預ければよいのか。
⑤わが国の安全に係る危機管理に赤信号
 安全で安心できる生活を担ってくれるのはいったい誰なのか?
 あらゆる「災害」に対する危機管理体制は「政府」にある。
 政府の危機管理体制を根本的に見直す必要がある。
 行政機関のトップの側近に、権限を与えられた「特殊危機管理部隊」の設置を行う必要があると考えら
 れる。

今の日本列島はまさに活動期に入りました。
地球の温暖化は勿論のことながら、地球という惑星が誕生して以来周期的に来る活動期に入ったのです。

今恐れられているのは、東日本大震災に見られる大規模なプレートの跳ね返りによる地震、これに伴って日本列島全体の地殻に変化が生じたことです。
このことにより、今までに予想もしなかった地震が予想もしないところで発生する危険性が現れました。
また、地球温暖化に伴う海水温の上昇のより、水蒸気の発生が拡大し、これに伴い大雨、豪雪といった自然災害の発生が拡大したのです。

このような自然環境の中で、災害への備えはどのようにすればよいのでしょうか。

ほとんどの人が、災害はいつ来るかわからない。心配だ。と言っています。
しかし一方では、自分には災いは及ばない、大きな地震が起こったから当分大丈夫だろう、といった「正常化の偏見」が非常に多いのも現実です。
昔から「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、わかっていても対応しない人が大半であるといことも事実です。

さていったいどうすればいいのでしょうか。

今最も求められていることは、防災に強い「人づくり」なのです。
何事に対してでも真正面から向き合い、真剣に取り組む人材育成こそが「自分を守り・家族を守り・地域を守る」ことであると思っています。

家庭においてのキーパーソンは主婦なのです。
先般ある調査で、男女のかばんの中にある品物の数を調べたところ、女性は、平均18個~20個、男性は6個~8個でした。
なぜ女性はこのように多く入れているのかと言いますと、必要でないものも入れていることで安心するそうです。

すなわち女性は常に危機意識を持って生活しているということが言えます。
このことからして、用心深くて行動が早いことから、いざというときの我が家はお母さんがキーパーソンであるということです。

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