今日3月1日、島根県のあの世界遺産で有名な「石見銀山」の地元大田市の西部まちづくりセンターで図上訓練(DIG)が行われ、助言者として依頼を受け行ってきました。

大田市は、自主防災組織結成に向け非常に熱心に取り組まれている地域であり、今までにも、西部、三瓶と要請を受け講演を行ってきました。

今日行われた地区は、昨年も住民自由参加で、かなりの人数の方が参加され、自主防災組織結成に向け研修会が行われました。

今年は、更に一歩進めて、地区の町内会長さんとか区長さん、消防団員、また消防団OBの方々約100名が参加され、DIGという図上訓練を実施しました。

今日参加された地区は、「鳥井地区」「静間地区」「五十猛(いそたけ)地区」「長久地区」の4地区から、各地区のリーダー的存在、地区を引っ張っていく方々が参加しての訓練でした。

この地区は、近年大きな災害には見舞われてはいませんが、過去に「万寿地震」により大津波を経験したり、静間川の氾濫により軒先まで浸水したりの被害を受けたことのある地区です。

最初に、私から訓練の進め方を説明し、1テーブル約10名の島を9班設置し、40分という短い時間に、各地区別に分けた2500分の一の地図に、道路、河川、避難所、公衆トイレ、要援護者宅、病院、コンビニ、AED設置場所、過去の災害発生場所、津波危険個所、土砂災害発生危険個所等々を色別、カラーシール等で表示し、どこを通って、どこへ避難するのか、津波の場合は、出雲市沖海底断層地震による津波高さ2.7mに対する避難場所であるとか、佐渡島北方沖地震による津波被害を想定し、海抜5m、10mを表示してどこへ避難すればよいかなど検討していただきました。

今回のDIGで一番感心したのは、各班とも非常に熱心に取り組まれ、地図上には書ききれないほどあらゆる情報が書き込まれていました。

私は今まで、数多くこのような訓練を行ってきましたが、ここまで目の色が変わって訓練に取り組まれた地区はありませんでした。

このような防災訓練を計画しますと、各班2人~3人は一生懸命取り組むものの、後の方はただ見ているだけ、と言った風景が良く見受けられます。

しかし、今回の訓練は、本当に全員が危機感を持って取り組まれた姿を見た時、このような考えが全地域につながれば、26年11月22日長野県北部で発生した「神城断層地震」で大きな被害を受けた「白馬村」のように、一人の犠牲者も出さなかった「自主防災組織」の活動につながるものと確信いたしました。

今回の訓練計画を立てられたのは、大田市の行政職員の「西村」さんでしたが、非常に熱心に計画を立て、参加地区との調整を行い、それに答えるように地区代表の「宅和」会長さんを中心に、地区代表役員の方との連携により実施されたもので、その熱意がうかがわれました。

最後の反省会の時、話が出ましたが、「実はこの地区最近大きな災害が発生していなく、誰もが危機感が薄らいだり、安心したりしているところがあり、それが一番心配です。」という意見を聞きいた時、正に日本列島で大きな災害に見舞われたところは、大なり小なりこの言葉が裏づけられています。

いつ来るとも分からない災害に対応するためにも、常に心と、物の準備は是非お願いしたいものです。

今日訓練に参加された皆様、ご苦労さんでしたと申し上げますとともに、久しぶりに住民主導型の訓練に参加できたこと、大変嬉しく思いました。

これからも今まで以上に地域内のコミュニケーションを取っていただき、安心して暮らせる「大田市」を目指していただきますようお願いいたします。

今日はご苦労様でした。

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